一般的に、葬儀社は「サービス業」と言われています。
業界の分類や、業務別のデータなどを見ても、葬儀は「サービス業」として分けられますし、
事実、サービス業としての接遇を重要視する葬儀社は多くいます。
故人様が亡くなり悲嘆の中にいるご遺族に、「葬祭サービス」を提供するのが「葬儀社」というもので、
そういった意味で、葬儀社が売っているのは「サービス業」という考えもあります。
けれども「葬祭サービス」というサービスは極めて範囲が広く、
例えば、寝台車の運転から遺族からの受電、祭壇の設営や葬儀の見積もり。
果ては宗教者との打ち合わせや料理返礼品などの数や種類の把握など、
サービス業とはいいながら、その項目は多岐に渡り、ドライバーからコールセンターから、
設営スタッフ、儀式の進行、司会業、料理・返礼品手配などなど、数多くのスキルが求められます。
さならが、ひとつの職種の中に数多くのスキルが混在するような、
一種「技術職」のような傾向があることも否めません。
また、幾多もある宗教や宗派、葬儀の習俗や慣習などもきちんと頭に叩き込み、
それらを適宜組み立てながら、葬儀を実施していく。
同時に遺族のグリーフ(心の悲嘆)にも寄り添うケアもしなければならない。
他の業界では決して持ち合わせることができない特異な知見を兼ね備えるため「専門職」の顔もあります。
つまり、葬儀社はサービス業で葬祭サービスを売っているのと同時に、
高度な技術を求められる技術職でスキルを売っているのでもあり、
高い葬儀や宗教への知識と知見を求められる専門職でナレッジを売っているのものでもあるのです。
つまり、葬儀社は
葬儀社=サービス業×技術職×専門職
というかなり特異な業種であることが分かります。
けれども、実際のところ何を売っているのか分かりません。
私は、葬儀社はそれらに加えて「儀式」を売っていると思っています。
つまり、葬儀社は儀式屋なのです。
儀式とは入学式とか卒業式とか式典のことですが、葬儀も元来は「葬儀式」という言葉でした。
葬儀は儀式であり、お葬式はそれに伴う社会的な一切を指すと私は思っております。
つまり、葬儀社は儀式とそれにともなう社会的な一切を売っているのであり、
儀式を軽んじたり、儀式を蔑ろにしたりする姿勢は葬儀社にあってはならない態度です。
近年、この儀式をきちんとしない葬儀社が横行し、
ことさら、遺族や故人に阿るような傾向にあるのは極めて悲しい。
当然、遺族や故人はお客様であるため儀式の押しつけや強制は断じてあってはなりません。
けれども、遺族や故人が儀式を知らないのをいいことに、不必要な儀式を販売したり、
あるいはその逆で必要な儀式を自社の都合で簡略化したり。
およそ、儀式屋としての誇りや矜持を感じさせない事例を数多く聞きます。
我々の祖先が営々と残してきた儀式をきちんと実施し、
現代の遺族が心から安心する葬儀を実施することこそ望ましいのであり、
儀式を疎かにするどころかそれらをないものにしようとする心根は、厳に慎まなければなりません。
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