社員の奥田 久士さんや敬愛する井出 悦郎さんなどから
「お葬式の思い出をのこしたほうがいいのでは」と言われまして、
ぼつぼつとアップしていければと考えました。
拙い思い出がどなたかのために役立つのであればと考えております。
お葬式と言えばなにやら湿った悲しい辛いというイメージを持たれがちですが、
実際、大きな悲しみを持った遺族や親族はそれほど多くはありません。
無論、人の心情に関する部分ですので、当時者でもない私がどうのこうの言えることはないのですが、
それでも泣き崩れる方や悲嘆で立っていられないという方は多数派ではないと言えます。
湿った悲しい辛いお葬式もありますが、
反面、卒業というような別れは辛いけれどもきちんと見送りたいという方が多いです。
渋谷でお葬式を行った方はまさしくそういった方でした。
亡くなった故人様が男性で103歳というご長寿。病院にお迎えにあがり、
ご遺族と会った開口一番、「足立さん、おめでとうで見送りたいんだよね」と言われたことが印象的でした。
「お葬式の人数はどれくらいになりそうですか?」と伺い、
「家族だけで見送りたいんだよね」と言われました。
「分かりました。10名とか20名とかですか?」と伺うと
「いや、家族、ひ孫いれて、全部で60名だね」と言われました。
私のささやかな担当者の経験で60名の家族葬というのは後にも先にもこの家族だけです。
マイクロバス3台でのお見送り。最期のお花入れでは、みな笑顔で「行ってらっしゃい!」という感じで見送りました。
本当に「おめでとう」で見送れたお葬式でした。
お葬式と言えば何でもかんでも湿った悲しい辛いものではありません。
中には「おめでとう」や「行ってらっしゃい」のお葬式もあります。
ご遺族の心に寄り添うことが当たり前ですが、大切だなと感じたお葬式の思い出でした。