高野山で修行している最中に、いろいろな碩学と呼ばれる方々の弘法大師に関する書籍を読みました。
栂尾祥雲、権田雷斧、和田性海、小田慈舟。様々な方々が多面的に弘法大師を縦横無尽に語る筆致にただただ感動したことを覚えております。
専修学院という1年間こもる道場の2学期、修行(加行)の際に、弘法大師の原文をふと読みたくなり、
今はもう遷化されましたが、頼富本宏先生の筑摩書房の『日本の仏典 空海』を手に取り、
空海の書籍をなぞるようにひとつひとつ読み込んでみました。
『弁顕密二教論』にはじまり、『即』・『声』・『吽』の三部書、『秘鍵』、『秘蔵宝鑰』、『性霊集』など。一文一文をノートに書き写すように読みました。
するとどうしたことか。これまで、昔年の諸大徳の方々が書かれた空海よりも、鮮やかでダイナミックで、
なにより生き生きとした空海の姿が浮かび上がってきたのです。
「空海をテーマに書かれた書籍」も大切ですが「空海が書いた書籍」も大切に読まなければならないと大きな悔悟を体験し、
祖師方ののこされた言葉をきちんと読み解くことが重要であると感じ入りました。
今回、内海 昭徳先生、菊池 敬先生と共に行います「シン空海論」はまさしく「空海が書いた書籍」をもとに現代を考えた場合、
いったいどうなるのかを真剣に考え、共に学ぶ場所です。
いわば、信仰やスピリチュアルの世界ではなく、ビジネスや経営や科学、芸術などの世界から、「空海とは何なのか?」を語りつくす講座です。
奇しくも今年、令和5年は、弘法大師生誕1250年の大きな節目の年。
弘法大師の新しい誕生を企図した学びの場と言っても過言ではないでしょう。
真剣に、誠実に、真正面から空海を語り合いたいと思っております。
このような機会をいただき本当にありがとうございます!
南無大師遍照金剛
合掌