お寺葬のT-sousai
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最近は少なくなりましたが、コロナ禍が始まった際は、一日葬を夕方にやるという方がいました。
夕方に葬儀を行うことそれ自体は遺族や親族の方々の自由ですので、
取り立てて何か思うところはありません。
けれども、葬儀は午前にやることに意味があります。
そのことは葬儀を執り行う上で知っておいても無駄ではないかと思っています。
葬儀を午前にやる意味はチャイナの「陰陽」の思想から演繹されます。
葬儀と婚儀(婚礼)は対の概念、儀式として捉えられます。
葬儀は弔い事、不幸なこと、あまり起きてほしくないこと、陰陽でいう「陰」にあたります。
婚儀は祝い事、幸せなこと、多くの人からおめでとうと言われること、陰陽でいう「陽」にあたります。
婚という字は黄昏(たそがれ=夕方)という意味があり、古い風習では結婚式は、夕方にやりました。
なぜ夕方なのかと言えば、「陽」の気の時に「陽」の時間、つまり午前に儀式を行うと、
陽の気が強すぎて、悪い方向に作用すると言われているからです。
つまり、陽の儀礼と陽の時間は掛け合わせてはいけない、ということなのです。
翻って葬儀はと言えば、陰の儀礼。それを陰の時間(夕方)にやると、陰と陰が掛け合わさってよくないと言われてます。
従って、陰の儀礼は、陽の時間に行うのが儀式事の枢要なのです。
迷信と言えばそれまでかもしれませんが、やはり陰陽の考えは大切と思います。
午前に葬儀を終えた方が、遺族の方の疲れや精神的にもよいのではないかと思っています。
昔から続けられたものには理由があります。
当然、継承すべてきでない因習も多くありますが、理由を考えながら儀式をおこなうことも大切なことだと思います。